お知らせ
入れ歯のお手入れについて
2024.1.10
目次
川口・鳩ヶ谷の歯医者「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 川口診療所」の歯科衛生士の高尾と歯科助手の五十嵐です。
今回は「 入れ歯のお手入れ 」についてお話していきたいと思います。
入れ歯には抜けてしまった歯の代わりに食べものをすり潰して食べやすくしたり、抜けた場所の周りの歯は抜けた場所を補おうとするので必要以上に伸びたり、倒れてしまうことがあるのでそれらを防止する役割があります。
このように大切な役割を担う入れ歯ですが、歯と同じ様に汚れ(食べかす、歯垢)が付着します。汚れたままお手入れをせずにいると歯垢が歯石になってこびりつき自宅では汚れがおとせなくなったり、雑菌が繁殖したりと逆に健康をそこなってしまうこともあるので、お手入れのしかたをチェックしていきましょう。
入れ歯のお手入れをしないと・・・
・口臭が発生する
・口内炎の原因になりやすい
・入れ歯に色素や歯石が沈着しやすくなる
・部分入れ歯の場合、金具がかかっている歯がむし歯や歯周病になりやすくなる
など様々なデメリットが発生するのでこれらのトラブルを防ぐためにもしっかりとした入れ歯のお手入れが必要です。
入れ歯のお手入れの方法
【毎食後のお手入れ】
1.洗面器などに水を張る
→ 落として破損したり排水口に流したりしないように気をつけましょう。
2.入れ歯を外して流水下で義歯ブラシまたは歯ブラシを使用して洗浄する
→ ゴシゴシと力を入れすぎないようにします。
特に歯肉などに接する内面をみがきすぎると、すき間ができてしまいます。
汚れが残りやすい部分(金具がついている部分など)は丁寧にみがきましょう。
【寝る前のお手入れ】
毎食後のお手入れに加えて、就寝前は入れ歯洗浄剤を使用してお手入れしましょう。
1.義歯ブラシや歯ブラシを用いて流水下で清掃
2.ぬるま湯に義歯洗浄剤を入れて、入れ歯を洗浄
→ 入れ歯洗浄剤を使用するとブラシだけでは落としきれない汚れや細菌を除去できます。
※浸漬時間は使用方法に従ってください。
※義歯の変形の原因になるため熱湯は厳禁です。
3.義歯ブラシや歯ブラシで浮き上がった汚れと入れ歯洗浄剤を洗い流す
※就寝時に入れ歯を装着するかどうかについては歯科医師の指示に従って下さい。
間違った入れ歯のお手入れ
入れ歯のお手入れでよくある間違った仕方として、次のような事例があります。
・熱湯に入れる
・硬い歯ブラシやスポンジを使う
・歯磨き粉で磨く
・漂白剤に浸ける
・入れ歯洗浄剤に長時間浸ける
いずれも間違いやすいのでそれぞれの詳しい内容を説明していきます。
熱湯に入れる
入れ歯洗浄剤がない時に、入れ歯を熱湯で消毒しようと考える方も少なくありません。
熱湯での消毒は多くの菌を殺す効果があると科学的には分かっていますが、入れ歯はプラスチック樹皮で製作されており、熱湯に入れると変形したり劣化したりして使えなくなってしまう場合があります。
実際に熱湯で消毒したことで、入れ歯が使えなくなったという声も多くあります。
入れ歯の手入れは指定された方法で必ず行うようにしましょう。
硬い歯ブラシやスポンジを使う
色素沈着や歯の黄ばみ、歯石といった入れ歯の頑固な汚れは取り除くのが難しいことが多いです。
強い力でゴシゴシ磨きたくなってしまう気持ちもあるかと思いますが、毛先の硬いブラシや研磨性の高いメラミンスポンジを使用すると、入れ歯の表面を傷つけるリスクがあり、最終的には破損へとつながります。
汚れが頑固に残る場合は、焦らずに専用の洗剤を使用してみることをおすすめします。それでも取れない場合は、歯科医院で入れ歯をクリーニングされることをおすすめします。
歯磨き粉で磨く
歯磨き粉には研磨剤が入っているので入れ歯を傷つけてしまいます。
研磨されてしまうと噛み合わせが悪くなったり、早く劣化したりします。このような状態が続くと、入れ歯のお直しが必要となり、大きな負担となります。
このようなトラブルを防ぐためも、入れ歯のお手入れには専用の洗浄剤やブラシを用いることが最も効果的です。正しい手順でのお手入れを心掛けて入れ歯の寿命を延ばし、快適な使用を継続しましょう。
漂白剤に浸ける
漂白剤に浸けるのも間違った方法の1つです。漂白剤は強力な化学物質であり、入れ歯の表面や素材にダメージを与える可能性があります。入れ歯の色が変色したり、表面が荒れたりすることがあるので気をつけましょう。
入れ歯洗浄剤に長時間浸ける
入れ歯洗浄剤は「長く浸けるほど汚れや細菌が完全に取り除かれる」と勘違いをしている方も少なくありません。過度に長時間洗浄剤に浸けるとその液体の中で細菌が繁殖しやすくなり、細菌の数が増加するリスクがあります。
特に、就寝前は古い洗浄液に再度浸けるのではなく、新しい洗浄液を用意して浸けるようにしましょう。これにより、夜間を通じて安心して入れ歯を清潔に保てるだけでなく、口腔内の健康も維持できます。
入れ歯の修理や買い換えを検討するべき目安は?
入れ歯は消耗品であり、適切に手入れをしても修理や買い換えの必要が出てきます。具体的には、プラスチック製の入れ歯で約3~5年、金属製の入れ歯は約5年以上が目安です。
10年以上同じ入れ歯を使用することも可能ですが、衛生的に推奨されず、細菌の繁殖や歯周病、口臭の原因となるリスクが増えます。さらに、長期使用で噛み合わせの問題や摩耗が生じる可能性があり、それに伴いさまざまな健康上のデメリットが考えられます。定期的に歯科医院でのチェックや入れ歯の更新を検討することが大切です。
入れ歯のお手入れについてお悩みの方は、
川口・鳩ヶ谷の歯医者「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 川口診療所」にぜひご相談ください。
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