紙巻タバコよりも有害性は少なくなっている可能性が高いですが、無害というわけではなさそうです。
お知らせ
タバコと歯周病について
2021.10.19
目次
川口の歯科医院「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 川口診療所」の歯科医師 根橋です。
タバコと歯茎の関係をご存知ですか?
タバコは歯周病(歯槽膿漏)のリスクを高めます
タバコの煙には数千もの化学物質が含まれていて、そのうちニコチンや発癌性物質などの有害物質は200とも300とも言われています。それらが、歯肉からの出血を抑えたり、歯肉を硬くすることで歯周病の症状が気づきにくくなります。
喫煙者は、お口が臭い・ヤニがついて汚いだけではなく、歯周病にかかりやすい、ひどくなりやすい、
また末梢血管への影響があるので、治療をしても治りにくく、更に治療後経過も悪い傾向にあることが解っています。
つまりタバコは歯周病になりやすくするばかりでなく、気付きにくくし、また治りにくくする原因と言えるのです。
タバコと歯周病の関係
米国全国健康栄養調査 (1988~1994)において、
喫煙者:現在もタバコを吸っていて、生涯において100本以上のタバコを吸ったことがある人
元喫煙者:生涯において100本以上のタバコを吸ったことがあるが今現在は吸っていない人
非喫煙者:生涯において100本以上、タバコを吸ったことがない人
という3つのグループに分け、12329人を歯周病にかかっているか調べました。
この調査からわかったことは、年齢、性別、人種などを考慮してもなお、
元喫煙者は、非喫煙者と比べおよそ4倍、歯周病にかかる可能性が高いこと。
元喫煙者も非喫煙者に比べると歯周病にかかる可能性は高いが、今も吸っている人ほどではないこと。
喫煙と歯周病は量依存性の関係があり、喫煙した量が多ければ多いほど歯周病にかかる可能性も高いこと。(例えば、1日に吸う本数が9本以下の人は、非喫煙者に比べて歯周病のかかりやすさは2.79倍、1日31本以上吸う人では、歯周病のかかりやすさが5.88倍であった。)
元喫煙者の中でも、卒煙期間 0~2年の人の歯周病のかかりやすさは、非喫煙者に比べて3.22倍、卒煙期間 3~5年で2.27倍、卒煙期間 6~10年で1.99倍、卒煙期間 11年以上で1.15倍と、卒煙しておよそ11年経って初めて歯周病のかかりやすさが非喫煙者と同等になると言う結果が出ました。
以上のことからもタバコと歯周病には密接な関係があると言えます。
電子タバコについて
現在、紙巻タバコの他に電子タバコを吸っている人も多いと思います。
日本歯周病学会が加熱式タバコの有害性を投稿した論文に掲載されたものです。
参考文献 歯周治療における禁煙支援の手順書,稲垣幸司ら,日本歯周病学会誌
終わりに
前述したように、喫煙と歯周病は密接な関係があります。
禁煙は難しいと思われている方、減煙でも歯周病には効果があります。
まずは1日10本未満を目安に減煙に挑戦してみてはいかがでしょうか?
歯周病に限らず、お口の中で気になることがありましたら是非当院までお越しください。
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