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むし歯ではないのに歯が溶けてしまう!?

2022.8.04

目次

こんにちは。川口市鳩ケ谷の歯科医院『医療法人社団 歯友会 赤羽歯科川口診療所』歯科助手の五十嵐と歯科衛生士の大和田です。

今回は酸蝕歯についてお話していきたいと思います。

酸蝕歯とは

「酸蝕歯」とは、わたしたちが毎日摂取する飲食物に含まれる“酸”によって、歯のエナメル質が溶ける状態をいいます。

酸蝕歯をそのまま放置しておくと、前歯は先端が欠けたような状態となり、奥歯はかみ合わせ面がへこみます。

エナメル質が溶けてしまうとその下の象牙質が露出します。
エナメル質は白いですが、その下の象牙質が黄色いため酸蝕歯になると歯が黄色っぽくなってきてしまいます。

さらには、歯の中にある神経が何層かの歯質によって守られていますが表層部のエナメル質がとけてしまうと飲食物がしみやすくなってしまうのが酸蝕歯です。

酸蝕歯になりやすいのは

・オレンジなどの柑橘類をよく食べる

・スムージーやフルーツを置き換えダイエットにしている

・摂食障害や逆流性食道炎の方

・アルコールが好きで毎日飲んで歯を磨かずに寝てしまう、磨いていても長い時間をかけてアルコールを摂取する

・ドレッシングやお酢などを大量にかけたり、飲んだりする

・クエン酸の入ったサプリや炭酸飲料、スポーツドリンクを常飲している

・つわりや摂食障害で嘔吐を繰り返してしまう

・梅干しや漬物、しょっぱいものが好き

・飴をよく舐める

・飲食物にレモンや柑橘類をよく絞る

 

  

食と酸

 

体に良いとされている野菜ジュース、果物、梅、お酢、クエン酸、ビタミン、今の時期には熱中症予防のために飲まれるスポーツドリンクや炭酸飲料、嗜好品のアルコールなどは、ほとんどが酸性のものなのです。

中性のものは無味、アルカリ性のものは苦いものが多く美味しいと感じるものは実は酸性が多くの割合をしめています。

飲食物よりもさらに強い“酸”が胃酸のため摂食障害や逆流性食道炎、二日酔いや体調不良による嘔吐後そのまま放置してしまうと歯が溶けるリスクが高くなります。

 

酸蝕歯の予防について

酸蝕歯は予防が第一です。 以下の事に気を付けて予防をしていきましょう。

・酸性の飲食物をとったらうがいをする
→ 口内が酸性から中性に戻り歯が溶けるリスクが減少します。
なるべく酸性の飲食物を控える、少量にする、長く口の中に入れないように気をつけましょう。

・よく嚙んで食べる
→ よく噛んで食べることによって、唾液の分泌量が増えます。唾液の成分は酸を中和し、歯を守る役割があります。

・フッ素塗布
→ 酸性の飲食物や胃液の酸によって一時的に歯のミネラルが奪われ、歯の表面のエナメル質が柔らかくなります。
フッ素は奪われたミネラルを取り戻し、歯の表面を強化する作用があります。

酸蝕歯の治療法

治療法は主に2つです

①歯が既に薄くなったり短くなったり欠けている部分は、樹脂の白い材料でつめものをします。

②欠損が広範囲に及ぶ場合には、ラミネートべニア修復やクラウン(銀歯)やセラミックなどの被せ物をし審美性の改善や歯面に酸が触れるのを防ぎます。

最後に

酸蝕歯の治療は早期発見、早期指導が重要です。
歯の表面の変色・変形・脱灰・知覚過敏など心当たりのある方はお気軽に当院にご相談下さい。